漱石の作品

⑥『彼岸過迄』「須永の話」を読み解く

『彼岸過迄』の中核となる短編小説です。 須永市蔵が友人の田川敬太郎に自分に起こったことを話すという設定です。 須永市蔵の複雑な心理の描写、須永と田口千代子との複雑な関係の描写があります。 須永市蔵は『彼岸過迄』の実質的な主人公かもしれません。
漱石の作品

⑦『彼岸過迄』「松本の話」を読み解く

松本は、須永市蔵に多大の影響を与えた人物です。同じような人間と見られがちな松本と市蔵ですが、彼らの心の働きには大きな違いがあります。市蔵の叔父として、松本は市蔵の相談にのりますが、市蔵の話に驚かされます。
漱石の作品

⑧『彼岸過迄』「結末」を読み解く

『彼岸過迄』の締めくくりです。森本に始まって松本に終る話を主人公の田川敬太郎が述懐します。敬太郎は、世の中の興味深いことを求め、探偵めいたこと実行しました。しかし、それ以外で自分のしたことは、他人の話を聞いただけで終わってしまいました。
漱石の作品

『門』を読み解く

宗助と妻の御米は、彼らが為した不徳義な結婚により、社会から非難されるべき立場の者として、一般社会とは距離をおいて生活しています。御米には耐え難い辛い過去があります。宗助には通り抜けなければならない門があります。
漱石の作品

『それから』を読み解く

前期三部作の2つ目の作品です。『三四郎』に登場する「美禰子」とは全く違ったタイプの女性「三千代」が登場します。主人公の「代助」は、現実の世の中と自身とのギャップ、型にはまった古い道徳観と、自然に生きようとする自身とのギャップに苦しみます。